競艇場の雰囲気が変わった。

若いカップル、家族連れ、キレイなオジさん、今っぽいオシャレな人たち。一昔前の、「薄汚れたキャップ×小柄×淡色カラーのブルゾン」という人は少なくなり清浄化した…。そんなことがまことしやかに囁かれている昨今ですが、それはある意味では正解である意味では間違いです。

まだまだ各々の競艇場には坂本たちが期待しているような人物たちが訪れています。

もし、そんな人が見たい人はこの助言を聞いてください。

●平日の一般戦から参戦

競馬でもそうですが、若い人たちが集まるのは誰もが知っているG1レースの日です。東京競馬場で開催されている日本ダービー、有馬記念のようなレースは日本中から競馬ファンが集う一大レース。若い人たちも一度は見に行こうということで、多く集まる最強のレースでしょう。

競艇に関してもG1などのレースの優勝戦であれば、有名人が訪れたり、イベントも開催されるなど、いろいろな意味で話題になるので多くの人が訪れます。また、一般戦であっても子どもが遊ぶ施設が併設されている場所、飲食店がたくさんある場所、キレイにリニューアルした場所などであれば土日に若い方が来ます。

まぁ、要するに競艇場は若い方や家族にとっての週末のデートコース&遊び場となっているわけですね。しかし、本当の競艇場の風景を知るのであれば平日にこしたことはありません。そして、一般戦の2日目や3日目あたりは激アツです。

●ご常連さまが来る

平日の競艇場は、坂本のような常連さまで溢れています。

当たり前ですが、競艇場に滅多に行かない人からとってみればお客さんなんて誰も興味がないでしょう。恐らく、街で会っても絶対に気がつかないレベルです。しかし、日々競艇場に通っていると、「あれ…あのオッサン、よく見るなぁ」なんて方も目につくようになります。

そもそも、他人なんかに興味が沸かない競艇場にいるのに印象に残るほどですから強キャラであることは言うまでもありません。

さらに、身なりがおかしかったり、背丈が極端に低かったり、異様な異臭を放つなどいろいろなパターンでの特徴を兼ね備えているのです。普段、そんな人に会いますか?同じ空間になることがありますか?坂本は思います。

こういった強烈な客であればあるほど、「おお…!本物だ…本物が生き残っていた!」と。競艇=汚い・臭い・怖いというイメージを踏襲した、そんな人が今だからこそ必要なのです。

●夢を掴みたいのは誰だって一緒

こういった人たちを見て坂本は思うことがあります。

「何で、まともな服を着ないのだろう」とか「ちゃんと風呂に入っているのかな?」とか「この金はどこで仕入れたのだろうか?」などです。とはいえ、ボケっとレースを見ている時にそのオッサンの後ろ姿を見ていると、「あ、この人たちも夢を掴みに来てるんだな」と頭をよぎることがあります。

そうです。同じ競艇場という場所に訪れて舟券を購入し、目的は違えど万舟券などを手に入れて気分を高めたい気持ちは一緒なのです。僕は、こういったオッサンたちに疑問を抱きはしますが、否定はしません。

いや、否定はしたくありませんね。

もし、彼らが平日、休日の競艇場から姿を消したらとても寂しい場所になってしまうことでしょう。競艇場に勤めている警備員の方も、「何か、キレイに大人しくなっちまったね。昔はさ、大声で叫んで暴れる人や酔っぱらっちまって床に倒れているオッサンとか、いろんなヤツがいたもんだぁ」なんて遠い目をして涙ぐむことでしょう。

●競艇場全てを愛してほしい!

今、若い競艇ファンだったり、好きだけれど競艇場に行ったことがない方なども多いはずです。

いいでしょうか。ここで解説したように、競艇場にはいろいろなレジェンドレベルのお客が存在しています。それを、「うわ…イヤだなぁ」と思うのではなく、「おお!聞いた通り!生きる伝説が目の前におるやん!」と思っていただきたいのです。競艇場は、私たちの未来です。

ぜひぜひ、競艇を楽しむために競艇場を訪れ、いつかは後ろ指さされる側の人間へと成長しましょう!