どか〜ん!と、誰かとぶつかった時。そんな時に頑丈な防具を身につけていれば安心できますよね。
まぁ、一般的な生活をしている中で強力な防具を身につけながらふらふらする…という方はごくわずかでしょうが、ボートレーサーとなれば話は別。常に危険と隣り合わせなわけですか、身につける道具も相当耐久力がないといけません。
どうやらボートレーサーのヘルメットは相当頑丈につくられているのだそう。その秘密に迫ります。
●アメフトか!?
まず、昔のボートレーサーたちのヘルメットを見ていきましょう。昔のボートレーサーのヘルメットは、顔の前に網のようなものがついています。これ、よく見るとアメフト選手たちがかぶってるようなヘルメットに似ていますね。かなり視野は広くなりますが、もしぶつかったら顔面崩壊必至…。なかなかシビれる状況の中、昔のレジェンドたちは努力を重ねていたことがわかります。
●今はどんな感じなの?
さて、さすがに現代のボートレーサー用のヘルメットはアメフト仕様ではないので安心してください。むしろ、逆にオートレースやF1レーサーのような感じのフルフェイスヘルメットデザインになっています。
これであれば、顔面がしっかりと守られているので安全ですね。ただ、一般的なフルフェイスヘルメットとは違う部分もあるので用チェック。かなり、顔周りの明き部分が広いのです。
ボートレーサーたちは、いろいろなものを見ながらレースに臨みます。とくにレーサーたちがこだわっているのがスタートです。フライングに厳しい罰則が課されているように、ボートレースではスタートがかなり重要視されていることがわかります。まず、このスタート感覚を狂わせないためには空中線を確認する必要があります。
数十メートル置きに空中線が上空に張られているのですが、それを視認できるように前部分が広く開いている…と考えられるのです。また、ヘルメットのサイド部分にも注目。なんだか、丸い空気穴のようなものが空いています。
キャップなどにもありますが、別にこれは通気穴といった役割ではなく、周囲の音が聞こえやすくなるための仕様なのです。ボートレースにおいて音は重要で、後ろの選手や横の選手が迫ってくることを音などで感知します。もし、全く周囲の音が聞こえなかったら危険ですし勝負に負けてしまいます。ボートレーサーのヘルメットには、こんな工夫がなされていたのですね。
●かなり頑丈!
さて、ヘルメットの機能性で最も大切なのは頑丈さです。もし、誰かが怒って台パン風にヘルメットをパンチした後、粉々になってしまうようでは意味がありません。
できるだけ激しい衝撃にも耐えられる…そんな頑丈さがヘルメットには必要になってくるのです。ヘルメットに使用されている素材を見てみると、まずスーパーファイバーなどが使用されているようです。また、防弾チョッキにも使用されている軽量ポリエチレン繊維など、とにかく丈夫さにこだわった素材がとことん使用されていることがわかります。
ちなみに、ヘルメットを製造する企業では耐久テストなどもしっかりと行っているそう。先の尖った3kgもおもりを上から落として突き刺すという、なかなか強烈なビジュアルのテストを動画で見ましたが、貫通せずに途中で先端が止まっています。
要するに、何かが突き刺さっても貫通せずに安全性が守られる…ということです。プロペラをはじめ、いろいろ鋭利なものが突き刺さる可能性は十分にありますからね。これだけ安全性にこだわってくれているのであれば、レーサーたちも安心して走行できるというものです。
●カーボン製で軽量化!
どんなにヘルメットが丈夫であっても重たすぎては意味がありません。ヘルメットをかぶった瞬間、あり得ないほどの重たさになり、首がおかしくなったらレースになりません。近年、耐久性はもちろんそのヘルメットの軽さにもメーカーはこだわっているそう。
今、一般的なヘルメットは強化プラスチック製だそうですが、徐々にカーボン性が多くなってきているのだとか。重たさは、10g程度の違いだそうですが、長時間かぶっているとなれば話は別。この10gが、1日の疲れ方を大きく左右します。
とくに、優秀な選手は1日目から最終日までがっつり走るわけですから、疲れはあまり残したくないところ。そういった意味でも、近年多くの選手たちがカーボン性のヘルメットに移行している傾向が見られるのだそうです。まぁ、軽くて丈夫な方がいいですからね。坂本も賛成ですよ。
●デザインにも注目しよう!
レーサーのヘルメットは基本的にそのベースが合っていれば、選手が自由にデザインすることが可能です。まだら模様だったり、炎だったり、ちょっとヤンキーチックだったり、おしゃれだったり、かわいかったり…。このヘルメットのデザインで、選手たちは個性を際立たせているのかもしれません。
何となくしか理解できていなかったレーサーたちのヘルメット。いろいろと細かな仕様が魅力的ですよね。ぜひ、選手のヘルメットにも注目しながら、ボートレースを楽しんでみてはいかがでしょうか。