競艇は公営ギャンブルの中で一番面白くない。

そんな意見が案外多く見受けられます。競艇場に行ったけれども、何がどう面白いのか全く理解できない…。あんなギャンブルはくそだからやっているやつはヤバいのでは?という意見もあるようですね。

たしかに、坂本も最初は競艇の楽しさが理解できませんでした。しかし、競艇が面白くない…というよりは、こういったことをいう人はこんな部分が足りていないのかもしれません。

●人生に不要と感じている

まず、ギャンブルにハマっている人とそうでない人の違いとして、“自分の人生に必要か否か”という部分があります。例えば、パチンコをしている方や競馬の方をみましょう。

僕の知っているおじさんは暇ができるとパチンコ屋に行ってしまうそう。そこで勝てるとか勝てないとか、あまり意味がない様子です。また、違うおじさんの場合は毎週日曜の朝にウインズに行って馬券を購入しています。

その人はそこそこのお金持ちですが、趣味で遊んでいるのだといいます。こういったように、自分の人生にとってひとつの“ルーティーン”にならないものはた、他人からみて理解ができないわけです。

競艇の本場に行ったり、動画を見て“何となくまた見たいな”と思えるか否か…ということです。まず、自分の人生に不要であるが故に理解をしようとしない。これが、競艇がつまらなく感じるひとつの事例です。

●理解ができない

また、競艇という世界観に理解ができない方はどんなに頑張っても面白いと感じないでしょう。

たった6艇でただグルグルと同じコースを走っているだけ。さらに、勝ったからといって何か花火があがったり、ディズニーシーのアトラクションのように竜の口から火が飛び出るわけではありません。

そのレースに向かっている選手の人生、データ収集してから購入する舟券、そして当たるか外れるか息をのむ展開。こういった部分が理解できなければ、やはり競艇というギャンブルに面白さを見出すことは難しいかもしれません。

例えば、ビジュアル系のバンドのライブを見せられたとしましょう。女性の中には、応援したいという気持ちでそのバンドにうん万円を賭けてビッグスターになるまで追いかけます。正直、坂本には理解できません。

しかし、競艇も一緒です。ビジュアル系バンドの良さ、人生、そして成功物語。こういった内側を見ない限り、“ちょっと変わった化粧の兄ちゃんたちが、ナルシストっぽい歌をうたっている”としか認識できず、全然面白さを感じないのです。やはり、その面白さを理解しない限り表面的な部分だけでは意味がわかりません。

●脳のバイアス

さて、次に考えられるのがすでに脳に入ってしまっているバイアスです。我々はわからないものに対して、とくに注意深く観察するようにできています。子どものようになんにでも興味がある、という大人は少ないもの。自分の知らないものに対して、まずは疑ってかかってしまう…ということがあります。

例えば、競艇や競輪がもっとも優れている…という方に競艇をさせたところで、“浅い、つまらない”と言い放つことでしょう。

そこで、100万円くらい万舟券を当てたとしたら、“ちょろい!こんなつまんねえ競技ねえ!”といいつつも一人でこっそり通うでしょうが…。

とにかく、自分が一番だと思っているものと比較すれば、大抵の人はバイアスがかかっているのでけなしてしまうわけです。人として、まず何も考えずに物事の本質に対峙できる人は少ないはず。そういったイメージからも、競艇をつまらないと決めつけてしまっている節があるのです。

●浅い

軽く前述しましたが、ギャンブル好きで競艇のことを好きではない人というのは、“浅い”というところがつまらなさのポイントなのだそうです。例えば、競馬や競輪は騎手や選手たちの駆け引き。

最後の直線がもっとも盛り上がるところで、スタートダッシュで大コケしなければ、どんな馬でも選手でも勝ち目があると考えられます。競馬は、あの最終コーナーで大外からぐぁぁぁ!と、追い込みをしてくる感じは確かにしびれます。しかし、競艇の場合は1コースでほとんど勝負が決まります。

もちろん、途中で奇跡が起こることもありますが、ごくまれ。つまり、スタート時点でほとんど決まってしまうような感じなのです。また、選手によってA1とかB2がいたり、1コースがかなり有利であることも関係しているでしょう。

ロマンがない…という意味では、確かにけなされる理由も理解できます。しかし、冷静になりましょう。手の込んだフランス料理が、こぶと鰹ぶしだけで取った出汁の和食に比べて優れているでしょうか?鰹節、良質なこぶができあがるまでにどれだけの苦労と金がかかっているのか…。要するに、競艇は結果が一瞬ですがそれまでの積み重ね…これが面白いのです。

●競艇の面白さはどう伝えたい?

競艇のおもしろさをここで伝え続けるのは、なかなか大変。坂本もたくさんいいたいことがありますが、抑えておかないとしかられるのでここらで止めておきます。

しかし、競艇に1人でもハマらせることができたら気持ちいいでしょうね。それこそ、万舟券を取ったときの快感です。あ…万舟券なんて取ったことありませんでした…。