競艇という言葉ではなく、ボートレースという言葉を協会は全面的に売り出そうとしています。

それは悪いことではありませんが、我々のようなオッサンにとってみれば競艇は競艇。ボートレースもいいのですが、どうも無理やりそういった方向性に近づけたいという協会の思いがあばれているように感じてしまうのです。

さて、そんな中ボートレースがおかしいとおもわれている理由が、「CM」です。とはいえ、それには理由がありそうです。

●CMがおかしかった?

競艇が大好きな人はもちろん、初心者の方も近頃のボートレース協会の暴走ぶりには気がついていると思います。

それが顕著に出ているのがCMですよね。坂本もとくに面白いCMは歓迎なのですが、田中圭さん演じる主人公のレーサーとそれを取り巻く人たちの物語はイマイチわかりにくく違った意味でも印象的です。

とくに競艇のことをあまり知らない方は、「これは何?」と言っていたので、イマイチ競艇のあり方が伝えられている…というわけではなさそうです。とはいえ印象的なCMであることから、ある意味でPRは出来ているという声も。

田中圭さん見たさにファンが集まり大問題になった…というニュースもありましたので、まぁある意味では知られる存在になったのかもしれませんね。

●渡辺直美のCM

さて、田中圭のCMは今や物語のようになっていますが、それ以前はとりあえず良く分かりませんでした。

あの渡辺直美が暴れ、そしてロバートが暴れる…という意味不明な展開。

とりあえず水の格闘技といった派手な雰囲気を演出しまくったものであり、オシャレな外国人のボイスで「ダイナマイトヴォートレ〜ス…」という感じで、CDが発売される時のインストアナウ…というようなニュアンスのJ-WAVE感で押していたのです。

それを見て、「なんか競艇でオシャレじゃね!?よっしゃ、いっちょデートに誘ってみっかし!」と行ったら最後。

おかしなデザインのハットやキャップ、ブルゾンを羽織ったオジさんたちが競艇場で暴れまわっているのですからね…。

まぁ、近頃はキレイな競艇場も出来ているのでアレですが、それでもあのCMと現実の乖離に驚いた方も少なくなかったのではないでしょうか。

●じつは伏線があった

懐かしのテレビCMから競艇がボートレースといった名前に変化していき、現実と乖離していった…と思う方は多いでしょう。しかし、あのCM以前に伏線がある程度用意されていたことに坂本は気がつき始めました。

それが、「ROKU音プロジェクト」の存在です。競艇場はオシャレな雰囲気にしたい…という方向性ではなく、とりあえず若者が遊べるある意味でチャラい雰囲気を受け付けたかったようです。

今でも大きな大会のオープニングは派手ですし、女子レーサーを踊らせるなど、まぁおもしろいことをしている協会。しかし、身内だけではなくそういった人たちを外部からどんどん呼びたいというのが、協会側のやり方。

結果、「ROKU音プロジェクト」という謎のプロジェクトを立ち上げることになったのです。

●「ROKU音プロジェクト」とは!?

「ROKU音プロジェクト」は、「ROKU音(ろくおん)=BOAT with SOUND」というかたちで、音楽を使ってボートレースを盛り上げようではないか…という活動として2014年にスタートしています。

はっきりと協会のプレスリリースにも、「未来を担う若者たちへボートレースの魅力をアピールするプロジェクト」と記載されており、DJプレイ、ダンス、クラブ連動だったり、オリジナルサウンドまで作成していたというのですから驚きです。

また、こういった場合はよく分からないやんちゃなレゲエアーティストが起用されると思うのですが、音楽を手掛けたのはあのDAISHI DANCE。

ジブリの曲をハウスにアレンジしたものがヒットし、乙女ハウスというチャラいながらもオシャレなサウンドクリエイターとして一躍有名になった人物です。

おそらく、クラブ好きの方であれば知らぬ者はいない人物であり、協会側に異様な遊び人がいたとしか思えないキャスティング。

さらに、音楽だけでなくエロティックなダンスで有名なゴーゴーダンサーチーム CYBERJAPAN DANCERSもジョイン。DAISHI DANCEを中心に、若者に向けたなぞのプロジェクトが存在していたことに驚きました。

●結果不明!

さて、いろいろな主要クラブや競艇場でDAISHI DANCE率いる「ROKU音プロジェクト」はイベントを開催していいます。

YouTubeにも出ているので、そちらをチェックしてみるとその盛り上がり?が分かります。

いや…案外盛り上がっていないですね。誰もがなぜこういった展開になっているのか、はっきりと分かっていないようです。「ROKU音プロジェクト」は、今正直どうなっているのかわかりません。

おそらく、何も無かったかのように消えていったのでしょう。それが、CMというかたちで復活したのかもしれません。「ROKU音プロジェクト」。これを知っている、今の競艇ファンは少ないと思われますね…。