競艇ファンだけでなく、B級ニュース好きの中でも話題になっている西川昌希被告。

八百長レースをしまくったことでモーターボート競走法違反に問われた危険人物であり、懲役3年、追徴3725万円の判決が言い渡されたことでも話題になりました。

さて、坂本ブログでも西川昌希被告については何度か取り上げているのですが、問題は彼が「ほかにも手を染めている連中がいる。具体的に証言できる」と伝えているところ。一体、これからの競艇はどうなってしまうのでしょうか…。

●競艇というスポーツ

競艇はスポーツのひとつであり、水上の格闘技ともいわれる激しい競技です。

しかし、競技である上にギャンブルであり、それが日本が認める公的ギャンブルであることから、微妙な立ち位置として長年経営されている向きがあります。

競艇のレース展開や選手について、ボートの性質などについて知りたがるマニアックな方も多いですが、所詮はギャンブル。結果的に誰が勝つか徹底的に予想する先には、「自分の利益」が関連してきてしまう…という部分があるのです。

●普通のスポーツではない

例えば、サッカーくじなどが導入された際、日本では反対されたことを思い出します。

今では普通になっていますが、あれは11人という人数で行われている上に人生がかかっていることもあり、そう一人が八百長に携わっていてもどうにもなりません。

一方、競艇は1レースでたった6名しか出場することができず、さらに1コースの艇が5割以上の確立で勝利する…というシステム上、かなり八百長がやりやすいギャンブルであることがわかります。

競馬もそれなりに八百長が可能ではありますが、大きなG1レースなどでは不可能ですし、そもそも8頭以上のレースで八百長をするのは難しい。

人間に伝えても走っているのは馬であり、鞭をうつ打たないは近年まったく馬の早さに影響しないという論文も出ていたことから、かなり八百長レースを成立させるのは難しいことがわかります。

そう考えると、やはり競艇は八百長がしやすく、人間が操作できることから犯罪の温床になりやすいスポーツといえるのかもしれません。

●西川の言うことも分かる

西川昌希被告が、共犯者がおりその流れを具体的に言える…と伝えたことは、多くの競艇関係者を震え上がらせたことに間違いありません。本も出版すると伝えていますが、競艇ではそういったことに関連する人がおそらくかなり多くいると考えられます。

西川昌希被告は、やくざ屋さんに育てられた…という生い立ちがあるようですが、やはり八百長などギャンブルに関連する人生を歩んでいた、ということではサラブレッドだったようです。しかし、西川昌希被告は結局逮捕されてしまうわけですが、きっと良いように使えるヤツだったということでしょう。

使いっ走りとしては一流であったがために、どこか裏でふつふつとはらわた煮えくり返る思いをし続けていたと考えられます。

●共犯者は数多くいるか?

当然、西川昌希被告一人では八百長はできません。まず、八百長が行われたレースは西川昌希被告が1コースになった際、わざと負けるというシナリオで進められていたことで知られています。

競艇は1コース有利であることから、1コースが負けると三連単が大きな倍率になります。しかし…西川昌希被告が負けたところで、2コース、3コースが上手に買ってしまえば、それはそれで負配当は低くうまみがありません。

さらに、2コース、3コースがA1レーサーだった場合は、むしろ1コースが勝利するより配当が低くなることだってあり得ますよね。

となると、明らかに八百長をするには3選手以上の強力が必要になっていきます。B1選手からA1選手など、数人と西川昌希被告が手を汲みながら上手に三連単を操作する。

さらに、それが完璧なレース展開でないと賭けた方が大損してしまうため、西川昌希被告の立場がありません。確実に八百長を成功させるためには…そうですね、6艇全ての選手がある程度は関与していなければならなくなってきます。

競馬の場合、馬主や厩舎との関係もありますし、10何人の騎手を全て八百長として動かすことは非現実的。そういった意味からも、個人プレイで勝負ができるボートレースは西川昌希被告を含め、八百長がしやすいスポーツでもあるということなのです。

●今後はどうなるのか?

事実、西川昌希被告は逮捕されこれから競艇業界に戻ることは一生ありません。しかし、これを機に八百長をスタートさせる選手も出てくる可能性はあるでしょう。

八百長は絶対にしてはいけない最悪な行為ですが、それでもやらなければいけない包囲網に囲まれてしまう、そんなレベルの低い選手も数多く存在しています。西川昌希被告は、氷山の一角でありある意味で騙されてしまった口の人間。

西川昌希被告の暴露本が出版された後、一体この競艇界はどうなってしまうのでしょうか。それだけが、僕の懸念です。