競艇には数多くのテクニックが存在していますが、その中でも競艇ファンから人気が高いテクニックがツケマイと呼ばれるテクニックです。

〇〇マイというと「キスマイ(Kis-My-Ft2)」という勘違いしてしまう人がいるかもしれませんが、ツケマイ。これは、競艇におけるテクニックです。

ここでは、ツケマイについて考えていきたいと思います。

●ツケマイの名前

ツケマイとは、競艇における回る…マイるという言葉が関連しているといわれています。ターンをする際、モーターの感触をマイ足と呼んでいるのですが、プロペラの回転数がまわり過ぎている場合、マイ過ぎなどといわれるため、ツケマイは回るということに関連した言葉であることがわかります。そうなるとツケマイの意味が何となく分かってくるかもしれません。

●ツケマイというのは?

ツケマイは、前を走っている艇にくっついている…つまり、ツケながら内側を旋回する艇の外側をぐわっと回って追い抜くという先方のことです。

まあ、何となくこういった言葉について難しく考えると不思議な気持ちになってしまうのですが、要するに「レースが始まった時に先頭の艇のケツにずっとくっついていき、ここぞというターンで外側から追い抜く」ことをツケマイと呼んでいると考えることができるでしょう。

●ツケマイの魅力

さて、こう考えるとツケマイなんて誰でもできるでしょ!

競馬でいう差しだし、まぁ常套手段だよな!と、思う方もいると思います。事実、常套手段ではありますし、最後の最後にいきなり外側から1着の艇を抜き去って行く…というのは、やる方はメチャクチャ気持いい&カッコいいし、抜かれた側はメチャクチャ悲しいというか、むかつく負け方だと思います。しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。

それが、「本当に実力のある選手以外はできない、究極的なテクニック」であることです。その理由をお伝えしていきましょう。

●ツケマイは難しい!

たとえば、ツケマイはまくりに似ており外側のレーサーが内側のレーサーをターンで抜いて行く…つまり、押さえ込んでいくような先方といえます。しかし、相手にぴったりついていくというテクニックは相手に合わせられる技術とSPEEDが必要ですし、モーターの具合もしっかり把握した時に利用できる戦法です。

しかし、相手にくっついていくだけではなく、引き波をおこして内側のレーサーの推進力を奪うというテクニックが求められるのです。

これは、ちょっと簡単ではありません。ターンをする際、さまざまな条件が整った上で全力疾走でターンをして内側のレーサーを抜き去るのです。これ、相手のターンの力をマイナスさせた上で自分の力をプラスにかえて抜き去る方法ですので、相当レベル高いと思いませんか?

●まさに戦略!

ツケマイは、相手に精神的なプレッシャーをかけながら行う戦法です。プロ1としてレースに出ている選手だけが、プロ競艇選手ですので相手も実力が高い。

その中でいて、相手の推進力を奪いながらツケマイしていることで精神的ダメージや焦り、不安を与え、それを利用した中で自分の実力を最後に発揮するのですから素人や新人、実力がない選手はなかなか手を出すことができないテクニックといえるでしょう。

山崎智也レーサーなどがとくに有名ですが、プロ中のプロだからこそ可能なテク。これがG1などで見れた時は、かなり盛り上がることは間違いないのです。

●ただ早いだけがプロではない

競艇は、とにかく勝ちにこだわりたいスポーツです。

1着ではなく、永遠に二着であれば誰も艇を単勝で購入してくれません。いや、賞金が全然もらえませんね。

良いレースにも斡旋されませんし、ダメダメな競艇人生をおくらざるをえなくなるでしょう。しかし、2着ってスゴいことですからね。我々は、プロとして正式なレースに出ることさえできず、仮にびりっけつの競艇選手とボートレース勝負をしたとしたら、おそらくはすぐに負けてしまうことでしょう。

さらに、ボートレースは競馬と違って誰もが同じような艇に乗っているわけであり、さらにモーターも全く同じメーカーです。

要するに、強い選手がすごい機械に乗っているわけではなく、誰もが全く同じような機械で勝負しているようなものなのです。

200kmMAX出る艇と、100kmMAX出る艇が同じレースで走っているわけではないとすれば、SPEED自体は誰もが一緒。では、何が違うのか。

そこは心理戦だったり、どうすれば相手のSPEEDを落として自分が早くなるかなど、細かな調整が出来る選手なのです。これが競艇の面白さ。人間が主役のレースの醍醐味なのではないでしょうか。

●ツケマイを見たい!

今後、さまざまなレースを見ることになると思いますが、間違いなくツケマイは人を興奮させてくれる最強の技術です。私たちは、まだまだツケマイに憧れてもいいのです。どんどん、ツケマイをする試合を見て競艇を好きになりましょう!