坂本は、今悲しい気持ちでいっぱいです。

このブログが出る頃にはもう風化してしまっているかもしれない話題ですが、先日「ボートレース中の転覆事故で松本勝也さんが死亡」という報道が流れ、競艇ファンに衝撃を与えました。競艇という競技は、かなり危険が伴うことでも知られているもので、今までも何人かレース中の事故で命を落としています。

坂本は競艇が大好きですが、かなり複雑な心境。ここでは、競艇の危険性やいろいろな坂本の思いについてお伝えします。

●30名を超える死者

一度でも競艇を見たことがある方であれば、レース中はレーサーたちがとんでもないスピードで切磋琢磨していることがわかるはずです。

しかし、レースを展開しているのはプロであるからして、きっと安全性も守られているという信頼をしてしまっている部分があり、事故が起こることは想定せずに舟券を購入していることでしょう。

しかし、過去60年の間に競艇でレース中に死亡したレーサーは30名を超えています。冒頭でお伝えした通り、松本勝也さんもその一人になるわけですが、これほど危険な競技であることをより私たちは知っておくべき、ということになるでしょう。

●一人吹っ飛ぶ…ということではない?

小型の超高速ボートで賞金を狙いにいく、極シンプルな競技である競艇。トップ選手は相当額の賞金を貰えることもあり、レーサーを目指して特訓を積んでいる人たちは少なくありません。

賞金ですので、給料ではなく、勝てば勝つほどに大きなお金を手に入れられる賞金レースのようなもの。

犯人を探し当てて賞金を手に入れようとしている、ハンターのような生活と言ってもいいかもしれませんね。それだけ耳にすると美味しい商売にも感じてしまうのですが、実情はかなり過酷な内容です。

例えば、レース中の最高時速は約80kmといわれており、高速道路で走っている車と大差はありません。さらに、海面の上を走っているわけですから不安定ですし、風が強い時などは吹っ飛ばされてもおかしくない状況。

とはいえ、ボートレースで一人吹っ飛んで競艇場のスタンドに突っ込んだり、そのままお空に消えて行く…ということで事故は起こりません。問題は、転覆からの追突なのです…。

●追突事故における死亡事故

例えば、競艇でよくあるトラブルは転覆です。競馬でいう落馬なわけですが、一人転覆してレースから離脱するだけであれば問題ありません。むしろ、万舟券のチャンスということで賭けている側は喜ぶことでしょう。

しかし、問題はそこではありません。レーサーが転覆した後、それを追いかけていたレーサーがその転覆したボートに突っ込む…ということがあるのです。ボートだけが傷つけばいいのですが、転覆した後の人につっこんでしまったら…。

いや、涙が止まりません。よくて意識不明の植物状態、最悪は死亡…。近年、モンキーターンだったり危険な自然環境でのレース続行など、より過激なレース展開をする環境になっています。

当然、見ている方からしたら興奮できるレースを見たいわけですが、それが事故に繋がってしまうとなれば大きな問題です。一体、我々はどういった姿勢で競艇を楽しむべきなのでしょうか。

●転覆しろというオヤジの心理

競艇場にいくと、必ずどこかのオヤジが転覆しろ!という発言をしています。

もちろん、初心者の方や理性がある方であっても、賭けているレーサーが負けそうな時にその先にいるレーサーに転覆しろ…と呪いを賭けていることでしょう。しかし、それは最低の考え方であることは言うまでもありません。

気持ちは本当にわかりますが、それを心から願うというのはマナー違反と言わざるを得ません。仮に、転覆した後にその選手が死に、自分は万舟券を出したとしましょう。

いたたまれない気持ちになることは、確実に免れません。いや、しかしそれでも喜んでしまう方はいるでしょう。転覆したのはアイツがヘタクソだったから、ここで死ぬ運命だった…。いや、それは違うのではないでしょうか。

●安全を願うギャンブルになってほしい!

競艇が盛り上がる理由は、100円が数十万円、数百万円にもなる可能性があるというギャンブルだからです。

さらに、人間の実力がものをいう6艇しかいないレース展開であることから、手軽に誰でも当てることが叶います。

これがもし、最高でも1万円程度しか儲けられない競技であれば、誰も競艇などを楽しむことはなくなるでしょう。

しかし、あまりにエスカレートしてしまうと前述した「転覆しろ!」という罵声が聞こえたり、勝てさえすれば知らないレーサーなど死んでも構わない…という発想になってしまう人があらわれます。

坂本も、確かに身銭を切っているわけですから勝ちたいは考えます。しかし、転覆しろ…という願いを持って観戦するのだけは人としてどうかと考えるようになりました。皆さん、競艇は安全な競技となるように働きかけていきましょう。